櫻井八つ YATTSU Sakurai
古紙を漉き直し、庭で精製した蜜蝋を使い描いています。
湿度で変形・融点約62度。気候危機の中、生物と共に朽ちる絵画でもあります。
この絵が溶けて無くならない世界、つまり私たち生物も存在し続けられる世界を願いながら
その問いかけと共に、脳と心と身体と取り巻く環境との繋がりについて関心があるので、
日常の些細な違和感を元に考察し描き起こします。
I paint on paper that I have remade from recycled paper, using beeswax refined in my garden.
Beeswax paintings deform when exposed to humidity, and with a melting point of about 62°C, they melt easily.
Considering the current global climate crisis, these paintings will also decay along with the living things.
I hope for a world in which these paintings do not melt away, in other words, a world in which we living things can continue to exist.
And at the same time as asking this question, I am interested every day in phenomena that arise from the connections between the brains, minds, bodies, and surrounding environments of living things.
I notice small everyday anomalies in this process, and use them to consider them and turn them into paintings.
1981 年 埼玉県生まれ 在住
2004 年 多摩美術大学造形表現学部デザイン科卒
2001 年 グループ展を歯切りに個展・グループ展・その他活動を続けている
Born in Japan in 1981
Graduated from Tama Art University in 2014
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経緯
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16 歳くらいから 独学で絵を描き始めました。
大学ではデザインを専攻しましたが、卒業後は絵を描く事を選び、様々な経験をしながら描き続けています。
その中でも 2006年に1年間八重山諸島にある西表島で過ごし、民宿で住み込みアルバイトをしながら絵を 描くことに集中し、島の自然を体感した事が、その後の制作と人生に影響を与えました。
その影響のひとつとして、今まで使用してきた画材を見直しました。
当時、アクリル 絵の具で 絵を描いていたのですが、島の人に「絵の具の排水は、排水溝に流さないで土に捨てて欲しい」と言われ、衝撃を受けました。
かつてジュゴンが民家近くの浜にもくるほど海は綺麗だった事、 目の前にある海へ排水はそのまま流れている事などを聞いて、 自然を敬いながら破壊活動をしている自分に気付かされました。
島から戻り罪悪感の少ない画材を探し、2010 年頃から地元の養蜂家から蜂蜜を絞り終えた「巣」を譲り受け、 自宅の庭で 3 日ほどかけて精製した「蜜蝋」を絵の具として使用しています。
同時期に、アトリエとして借りていた旧幼稚園の整理をしていると、使われなかった卒園証書や包装紙などの 大量の古紙が出てきたので、それらを漉き直し作品に使用したのをきっかけに、 キャンバスからオリジナル再生紙を支持体とするようになりました。